麻生 美重
(あそう・みえ)
大分県出身、京都女子大学卒、古美術・学術系出版社勤務。渡米後、フリーランスライターとして映画雑誌で執筆。17年より羅府新報社記者。
(2019年2月 更新)
この執筆者によるストーリー
「ちからもち」、再建への道:和菓子職人の技、兄から妹へ - その2
2019年2月15日 • 麻生 美重
その1を読む >> 銀行残高、わずか1ドル。借金「歯を食いしばって返済」 「2009年、店はつぶれた状態だった」。今でこそ、何気ない口調で語ることができる。だが、ここへたどり着くまでの日々を2人が忘れることはない。 「店を継ぐまでは従業員だったので(店の財務状況を)知らなかった。蓋を開けてみたら大変なことになっていた」と衣枝さんはいう。会社の銀行口座には残高1ドル。取引先などを含む多方面から経済的に援助してもらう窮状だった。「店を継いでいた甥だけがこのことを知っていて…
「ちからもち」、再建への道:和菓子職人の技、兄から妹へ - その1
2019年2月14日 • 麻生 美重
1985年、熊本出身の職人がロサンゼルスに和菓子屋を開店した。日本各地で鳴らした和菓子職人の率いるこの店が、地元の茶の湯で信頼される存在となるのに時間はかからなかった。順調だった店にやがて最初の不幸が訪れ店は窮地に立たされる―。創業者家族から店を受け継ぎ再建させた妹夫婦。いくつもの困難を乗り越え不安に苛まれながらも、兄から受け継いだ職人の技を以って、今では店を順調に切り盛りする。「周りの人に助けられてここまで来た」 ロサンゼルスに残る数少ない和菓子屋のひとつ、「ちからもち…