木村 直美

(きむら・なおみ)

東京生まれ。夫の赴任地ブラジルでポルトガル語に出会う。語学学校に通いポルトガル語を学習。5年滞在後、ブラジルファンになる。現在はポルトガル語の通訳ガイドをしてポルトガル語圏の人々と国際交流している。

(2012年9月更新) 

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ニッケイ物語 #1 — いただきます!ニッケイ食文化を味わう

ブラジルのおかきと“ウメボシ”

もう30年ほど前のこと。夫の赴任に伴って思いもかけずブラジルに住むことになった。当時はサッカーが今のように日本では盛んでもなく、日本でのブラジルの情報は極めて少なかった。私自身、コーヒーとカーニバルの国としか認識しておらず、おまけに毎日カーニバルが行われていると思っていたくらいで、ブラジルへ行く前はただただ不安だったことを昨日のことのように懐かしく思い出す。

当時のブラジルは、日本製の食品が輸入禁止で、ブラジルでは簡単に手に入らなかった。スーツケースに忍ばせて持って行った日本のおせんべいは貴重品だった。

同じアパートに住んでいた日本人に引越の挨拶に行ったとき、「あなたは、来たばかりだから、おいしくないかもしれないけど、4~5年も住めば、結構美味しくなるのよ。」と言いながらブラジル製おかきを出してくださった。

まだ日本から着いたばかりだったので、なるほど美味しいとは言いがたかったが、日本から持参したストックも切れ、どうしてもおせんべいが食べたくなり、リベルダーデ ...

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