孤独な望郷 ~ フロリダ日系移民森上助次の手紙から
第35回 土地を寄付、将来公園になるという

南フロリダの大和コロニーの一員として渡米、コロニー解体後もひとり最後まで現地にとどまり生涯を終えた森上助次は、戦後、夫(助次の弟)をなくした義理の妹一家にあてて手紙を書きつづける。所有する森林にはさまざま鳥たちが集まってくると満足。アメリカでの植栽事業に意欲を燃やし、檜の苗木を5千本植え、パイナップルの苗は、広い土地にひとりで這いずるようにして植えていったという。地元の郡へ土地を寄付し、それが公園化されることになると報告。一方、日本の故郷にも同様の申し出をしたがなにも返事はなかったと憤る。
* * * * *
〈昨年5千本の檜を植えた〉
1972年3月1日
玲さん(姪)、お手紙、ありがとう。便りがないので案じていた。何か気に障った事をいったか、聞きたいと思った。
雑誌ガーデンライフ ...