「米國日系人百年史」を読み直す~パイオニアたちの記録をたどって
第29回 南部大西洋沿岸諸州の日系人

東海岸最初の集団移民?
「百年史」が、第二十五章で紹介する南部大西洋岸諸州とは、ジョージア州とノースカロライナ州、サウスカロライナ州の三州だ。
統計ではジョージア州の日本人人口は1900年に1人、1910年に9人、以下10年ごとに32人、31人、128人で、1960年には885人となっている。この統計より前に、この州に最初に足を踏み入れた日本人について「東海岸最初の集団移民」として、次のような“伝説”がある。
「~1880年代ごろ、フランク・エーケンと呼ぶ英国系人がサバナ港を根城に東洋と貿易し、主に上海との間を往復するうち、それまで使用した黒人奴隷が解放された後の労働者補充に、日本の高知県から二十余名を連れ来りブランズウヰク郊外で米作に従事したことがあり ...