岩崎 史香

(いわさき・ふみか)

栃木県出身。津田塾大学3年生を終了後、2015年3月から2016年3月までの1年間、シアトルのベレビューカレッジへ留学。日本での専攻は、国際研究学科。多文化・国際研究に力を入れており、中でもマイノリティ・グループに興味を持っている。2015年には奨学金を取得し、ミニドカの巡礼に参加した。

(2015年9月 更新)

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若い世代の日系人・活動の源を追う

第五回 ガブリエラ・ゲイナーさん(ダンサー、振付師)

シアトル地域で活躍する日系人。ガブリエラ・ゲイナーさんは、シアトルオペラで広報を担当する傍ら、自身でもダンスカンパニーを立ち上げ、振付師、ダンサーとして活躍している。五世である彼女の日系への意識、また自身の活動との結びつきについて追ってみた。

「私の高祖父は、1906年にサンフランシスコで地震が発生した後に米国にやってきて、大工として街を再建する手助けをしました。その後第二次世界大戦が起こり、曽祖父母はハートマウンテンにある収容所に送られ、そこで生まれたのが祖父でした」

五世世代ながら、家族の歴史について詳しいゲイナーさん。親戚はカリフォルニアに多く、両親がシアトルに移った後も日系人の親戚との結びつきが強かった。フィリピン系、アイルランド系の背景を持つが、自身を「日系人」だと認識する要因の一つになっていると語る。

「自分が日系人である ...

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若い世代の日系人・活動の源を追う

第四回 サラ・ベーカーさん(日系市民協会シアトル支部)

シアトル地域で活躍する若い日系人。サラ・ベーカーさんはノースシアトル・カレッジで学生自治会の会長を務め、日系市民協会(JACL)シアトル支部では来年度の支部長にも選出されている。「新三世」と答える新しい世代の日系人の姿を追ってみた。

* * * * *

第二次世界大戦を境に日本人移民への呼称に「新」をつけることが多いのは良く知られている。ベーカーさんは祖母が朝鮮戦争後に米国に移民してきた。大戦後の新日系移民の三世にあたる。

いわゆる三世、四世と呼ばれる世代との違いについて、ベーカーさんは表現するのが難しいながら、「三世の多くは、彼らの親の世代の遺産について話していますが、私の場合はそれがないですね」と話す。

一方、受け継ぐ文化については類似したものがある。「他の日系人と話している時に、英語に時々日本語の単語を混ぜて話すのは ...

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第三回 スティーブン・キタジョウさん(ミネドカの旅実行委員会)

シアトル地域で活躍する若い日系人。四世にあたるスティーブン・キタジョウさんは、8月から、アイダホ州のミネドカ日系人収容所跡地へのツアー企画運営団体「ミネドカの旅実行委員会」の共同代表になった。過去にワ州日本文化会館(JCCCW)にも勤務、日系人であることへの意識について聞いてみた。

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日系団体での活動は、自身の好奇心から来たものだったという。両親は三世にあたるが、二世となるキタジョウさんの祖父母)から、日系人の経験について伝えられてこなかった。

「母は何かしら関わりたいと思っていたようですが、日々の忙しさで何もできなくて。自分が関わることで、何も聞かされてこなかった両親に自分の学びを共有することができると考えました」

大学ではアジア系米国人民族学と歴史を学んだ。途中で関心の軸が歴史にあることに気づき、アジア系米国人の歴史に焦点を当てて学ぶことにしたという。卒業後のJCCCWでの勤務で ...

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第二回 トロイ・オオサキさん(ポエトリーリーディング)

シアトル地域で活動する若い日系人たち。日系の父とフィリピン系の母を持つトロイ・オオサキさんは、ポエトリーリーディングで社会へ向けて意見を発信している。ワシントン大学(UW)のアメリカン・エスニックスタディーズ(民族学)でアジア系米国人民族学を専攻、卒業後、地元で詩を教える仕事についたあと、現在はシアトル大学のロースクールに通っている。

創作活動を始めたのは、小学生のときからという。ミュージシャンを目指し、ギターやベースを弾き、詩よりも歌の歌詞を書いていた。

高校生になり、英語の授業で詩のワークショップに参加、詩や物語を芸術的にパフォーマンスする「スポークンワード」と出会った。

「すごく興味を持ち、そのワークショップでいろいろ聞きました ...

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第一回 デービット・ヤマシタさん(シアトル四世)

地元社会への奉仕に協力する「シアトル四世」というグループが最近立ち上った。日系のルーツがある若い世代を中心に様々なバックグラウンドを持つメンバーが集まる。

立ち上げたのはデービッド・ヤマシタさん。NVC財団の活動に関わるなど、日系社会でも積極的に活動を行うようになった。設立のきっかけは、第二次世界大戦や日系人収容所からシアトルへ戻った二世の経験を知ったことがきっかけという。

グループでの活動は、バスケットボールを通じたコミュニティーイベント開催、パイオニアスクエアにある退役軍人向けのホームレスシェルターでの毎週土曜日のブランチ提供といったものだ。

 「二世の人々は米国軍として戦ったにもかかわらず、帰還後の就職や、ローンを組むことが難しく、人種差別に直面しました。地域社会に歓迎されなかったため、お互いの結びつきが強まったようです」とヤマシタさんは語る。物理的にも心理的にも拠り所となったのが、今のNVC記念会館。そこでのコミュニティー活動を通じて二世に強い絆が生まれたという。

「二世である祖父母に、今以上に敬意を示せるように ...

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