前回は帰米二世の設立した帰米日系市民協会の活動についてお伝えしたが、今回は二世女子日本見学団についてお伝えしたい。
アメリカで生まれた二世女子は、国語学校や両親から日本語や日本の文化、風習を習ったが、よく理解できなかった。彼女達が日本の実情を実際に体験する目的で、1939から1940年頃、いくつかの日本見学団が結成され、日本に長期間滞在し、日本各地を見学した。初めて見た日本をアメリカ生まれの二世女子達がどのように思ったか、興味深い記事1をいくつか紹介したい。
母国見学団の隆盛
サンフランシスコ総領事館、ロサンゼルス、ポートランド、シアトル各領事館からなる太平洋沿岸の領事会議で、当時盛んに行われた二世団体の母国見学をどのようにして円滑に実行していくかが議題となり、その具体的指針が出された。
「領事会議の申合せ」(1939年11月1日号)
「母国見学のため在外二世団体が日本を訪問した場合、これまで紹介の鉢合わせや、手違ひで煩雑を来す場合が多かったので、先般サンフランシスコで行はれた沿岸領事会議ではこれ等団体が見学旅行出発前の準備に就いて次の打合せを行った。
△二世母国見学団の出発前における準備に関する注意(領事会議申合せ)
一. 日本人会主催又は日本人会、又日本人会関係団体の共同主催のものに限り紹介することゝす。二. 日本に於ける統一機関は外…