>>第4回ファッティマさんやヂジャルマさんのように、デカセギに行った配偶者の行方が分からなくなり、苦しい生活を強いられる留守家族は特別なことではない。
〇三年、ヂジャルマさんは自分と同じような境遇にある人たちが多くいることを知り、「デカセギ放棄家族会」(AFAD)を立ち上げた。自身が代表を 務め、当初、モジ市内の三家族だけだった会員は、会の存在がブラジルメディアに頻繁に取り上げられたこともあり、〇五年には八十家族、〇八年九月末現在で は、百二十家族まで増えている。
おもな会員は聖州内に散らばっているが、リオ・グランデ・ド・ノルテ州、トカンチンス州、ミナス州、パラナ州などの遠方にもいる。それぞれが仕事し、遠く離れていることから定期的な会議を開けないでいるが、必要に応じて会員相互で情報交換を続けている。
家族会の最大の目的は、「デカセギに残された家族の権利や要求が守られるように、日伯両国が法的な環境を整えることにある」と力を込める。具体的には、日本にいるデカセギに対し、母国に残した家族に仕送りを義務付けるような取り決めを求めている。
加えて、扶養義務を怠っているデカセギには「ビザ更新の禁止」や「母国送金の押収」を求めている。「本来扶養すべき家族ではなく、友人や親戚に仕送りしているデカセギも多い」。そうした人たちの送金を押収し、強制的に扶養費が必要な家族に振り分けるシステムを訴えている…