お祖母ちゃんのお雑煮

「お祖母ちゃんがスープを作っているわよ!」
この言葉は、私たち子供に台所から出て行くよう示唆する母やおばたちの合図だった。
お祖母ちゃんは何日も前からお雑煮の下ごしらえをしていた。お雑煮は、正月に食べる伝統的な日本料理で、新年に幸運を呼ぶ食べ物といわれている。
母方のお祖母ちゃんの夫、つまりお祖父ちゃんは伝統的日本のお正月を祝うことに興味がなかった。また、父方の祖父母も日本のお正月にはまったく無関心だったので、ブラジル式の正月を過ごしていた。
私より年上のいとこ達は「今年はお雑煮を食べたくない」と、大人たちに聞こえないところでブーたれていた。お雑煮に入っているタコが嫌い、汁の中の餅は味がなくておいしくない。
私にとって、「お雑煮」の響きは特別なエピソードを思い起こさせる。昔、家の近所の野原で、私の友人達と時々サッカーをやっていた「アゾニ ...