ジャーナリスト志望から一転 「ちゅらさん」とは沖縄の言葉で綺麗な女性という意味だ。沖縄の女性は、肌に張りがあって、瞳の大きな美人が多い。そこで、某雑誌の編集者から「ちゅらさんの秘密」についての原稿を書いてほしいと提案された。それは是非個人的にも知りたいテーマだと思い、さっそく私にとっての沖縄関係の知恵袋である知り合いの男性に「在米の沖縄女性で綺麗な方を紹介してください。その方の美しさの秘密を取材したいのです」と持ちかけると…彼が真っ先に名前を挙げたのが一美さんだった。
一美さんに会うために向かったのが、ビバリーヒルズの一等地にある美容院カブキ・ビューティーサロン。そこのオーナーである彼女は、76歳とは思えないほど若々しく、紹介者の言う通り美しい女性だった。
取材テーマの「綺麗の秘密」は、一美さんの口から語られることはなかった。特に何もしていないのだと言う。しかし、秘密は確かにあった。それは好奇心に溢れた彼女の生きる姿勢である。
一美さんが故郷を離れてカンザス大学の大学院に留学してきたのは、1960年。父親は新聞社、沖縄タイムスの創業者であり、一美さん自身もジャーナリストをめざしていた。当時、沖縄からアメリカに留学することは、最高の教育を受けるチャンスと捉えられていた。ところが、渡米早々、韓国出身のヘンリー・キムさんに熱心に結婚を申し込まれた一美さ…