深沢 正雪

(ふかさわ・まさゆき)

1965年11月22日、静岡県沼津市生まれ。92年にブラジル初渡航し、邦字紙パウリスタ新聞で研修記者。95年にいったん帰国し、群馬県大泉町でブラジル人と共に工場労働を体験、その知見をまとめたものが99年の潮ノンフィクション賞を受賞、『パラレル・ワールド』(潮出版)として出版。99年から再渡伯。01年からニッケイ新聞に勤務、04年から編集長。

(2009年1月 更新)

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親が日系人だと算数の成績が良くなる?!

《両親のどちらかが日系人である子どもは、公立小学校での算数の学力がイベリア(スペイン、ポルトガルなどイベリア半島出身者)系子孫よりも1年先をいく》――そんな興味深い調査結果が、17年12月24日2時00分付けフォーリャ紙電子版で発表された。これは両親が持つ移民文化が、子どもの学力にどんな影響を与えるかを調べた画期的な調査だ。

全国学力試験の受験者の苗字から、親がイベリア系、日系、ドイツ系、東欧州系、イタリア系、シリオ・リバネース系のいずれかである場合の学力を比較したもの。その結果、日系人の子どもの場合は算数の成績が特に優秀だった。

《両親のどちらかが日系、ドイツ系、東欧州系、イタリア系の場合、算数の成績がイベリア系子孫よりも優れている。父と母が日系である場合 ...

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バイリンガル教育としてのコロニア日本語教育

「日本語教育は幼稚園に投資すると効果が高い」――現在、当地で「南米日系社会における複言語話者の日本語使用特性の研究」を調査する金沢大学の松田真希子准教授は、そう結論付ける。

ピニャールやピラール・ド・スルなどの日本語学校で「かなり高度なバイリンガルが育っている」ことに驚き、幼稚園があり、日本語学校にほぼ毎日通っている現実がその結果を生んでいると見ている。

つまり、今までコロニアで「日本語教育」と呼んでいた物は、日本の専門家から見れば、実は「バイリンガル教育」であった――。

高度バイリンガルを育てる秘訣を「そこにいけば日本語環境がある。日常的に日本語を話している集団があり、子供がそこで自然にやりとりをおぼえることが大事 ...

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ニッケイ物語#6: いただきます 2!新・ニッケイ食文化を味わう

復活のフェイジョアーダ

「3年ぶりに美味しく頂きました」――。2005年6月、ブラジル岡山県人会の岡詢(まこと)会長(当時、66歳)は、ブラジルを代表する料理「フェイジョアーダ」の皿を前に、なにかをふっきったような晴れ晴れとした表情でそう言った。

それもそのはず、岡さんは同県人会館でフェイジョアーダの大鍋をひっくり返して全身大やけどの瀕死の重症を負った過去があるからだ。

ブラジルを代表する郷土料理フェイジョアーダは、黒豆を牛の耳や干し肉などと煮込んだもの。肉の脂分やゼラチン質がたっぷり溶け出し、やわらかくなった黒豆がどろどろのスープ状になっており、マンジョッカの粉をかけ、御飯と共に食べるこってりした料理だ。

なぜか土曜日の定番料理で、ブラジルにきたばかりの日本人は、一見「ぜんざい」かと勘違いする ...

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そもそも「移民」は差別語か? アイデンティティに関わる表現 ー その2

その1を読む >>

「渡日」「訪日」「帰国」日本との距離感が違う言葉

言葉は生き物だ。だから、言外に感情がこもる。移民が使う言葉には、「祖国から離れた場所にいる」という「郷愁を伴った距離感」が無意識に強く付きまとう。「本来自分がいるべき場所」と「今いる場所」のズレが激しくあり、人によっては「帰りたくても帰れない」という状況に陥って、ただの「郷愁」から「精神病」の域になっている人が相当数いる ...

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そもそも「移民」は差別語か? アイデンティティに関わる表現 ー その1

前回書いた『南米の日本語版クレオール語「コロニア語」』の続編として読んでもらいたい。今回は「アイデンティティ」に関わるビミョウなコロニア語表記などを中心に書いてみた。 


そもそも「移民」は放送禁止用語か?

ニッケイ新聞2004年6月4日付の「記者の眼」コラムで、NHKでは「移民」という言葉を放送禁止用語にしているのでは―という疑問と同社からの返答を書いた。

というのも、サンパウロ人文科学研究所の宮尾進元所長(故人)から、NHKの生中継番組に出演する時、同社スタッフから「『移民』という言葉は棄民に通じる印象を持たせるので ...

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