インタビュー
63年スティングレイ(日本語)
(日本語)スティングレイは、アイコン的存在となりました。それは、コルベットとして、というより、厳密には63年製スティングレイのユニークなスタイリングにより、世界中に知られる車となりました。1963年、正確には製造された1962年当時の、他に一線を画す新しいデザインでした。非常にユニークでありながら、古くなることのない、今でも人の目を引く、新鮮なデザインです。紛れもなく、アイコン的デザインと言えると思います。時代を越えた新鮮さがありますね。コレクター人気の最も高い、価格も手頃な車種の1つです。
1963年は、クーペ型(2-6人乗りの2ドア自動車)が採用された最初の年でした。クーペ型は、単純にその構造や形、空力的スタイル、1963年バージョンにのみ使われたスプリット・ウインドウ(ルーフからリアエンドに向かって走るフレームにより2つに寸断されるリアウインドウ)により、コルベットの中で最も象徴的なデザインとなりました。スプリット・ウインドウについては議論の末、翌年から不採用となりました。ラリーによると、視界の問題やコストなどが原因で廃止となったそうです。それでも、今でも最も人気のあるバージョンが、1963年型の最初のスティングレイなのです。
ラリーは、このプロジェクトに関して同僚とよく喧嘩をしました。なぜなら彼は、車の前方に、より空力に配慮したスタイリングをしたかったからです。彼らはリトラクタブル・ヘッドライト(消灯時はボンネット内部に埋没し、点灯時のみ外部に展開される構造のヘッドライト)をめぐり対立しました。ラリーは、ヘッドライトをラジエーターグリルの背後に隠す構造にしたいと考えました。そうすることで、空気抵抗はさらに抑えられます。夜も昼も同じくらいのスピードで運転するのに、ヘッドライトが立ち上がることで空気抵抗が強くなるのは嫌だ、と彼はいつも言っていました。しかし、ラリーはこの争いには敗れました。なるようにしかならないことがあり、流れに身を任せなければならないこともあるわけですね。全てにおいて彼に軍配が上がったわけではありませんでした。
日付: 2011年9月14日
場所: 米国、カリフォルニア州
インタビュアー: アキラ・ボック
提供: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター