激変するデカセギ事情=大挙帰伯の真相に迫る

2008年の金融危機の犠牲になったデカセギたち。彼らを取り巻く環境が激変しているのは、日本だけではない。日本で職を失った彼らの多くが、大挙帰伯している。そのあおりを受け、ブラジルの事情もまた急変している。その現状に焦点をあてたコラム。ブラジル国サンパウロ州サンパウロ市で発行されてい、日本人・駐在者向けの日本語新聞、ニッケイ新聞(www.nikkeyshimbun.com.br )からのの転載。

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第7回(終) 各地で求められる支援=パラナ州起業相談30%増

>>第6回

デカセギ大挙帰伯が今後も続くと予想される中、伯国側の受け入れ支援体制作りが早急に求められている。

愛知県、三重県、群馬県、岐阜県の県庁職員、聖市、南麻州の識者や関係者が声をかけあい、一月三十一日にインターネットを通したテレビ会議が開かれた。

聖市からはデカセギ子弟の教育支援を行っているISEC(文化教育連帯学会=吉岡黎明会長)の九人が参加。日本語とポルトガル語を交えながら、互いに現場の状況を報告した。

「三カ月でブラジル人の県内外国人登録数が三百九十二人減。未登録者も多く、何倍もの人が帰国しているのでは」(岐阜)。「予想失業者数は愛知県の二万 人が全国最多。うちブラジル人がほとんどだろう」(愛知)。「日本語のできる外国人向け就職説明会に千人以上殺到 ...

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第6回 リピーターの心の揺れ=日伯漂う浮草のように

>>第5回

「もうデカセギは終わりにしよう、もう日本に戻らない、ブラジルで頑張ろうと思って帰ってくるけど、結局また行くことになってしまう。社会に馴染めない」。

十二日に行われたグループ・ニッケイ主催(島袋レダ代表)のデカセギ帰伯者向け支援相談会「ただいまプロジェクト」に集まった二十人の一人、佐藤ロジェリオさん(44、二世、独身)は、こう悩みを打ち明けた。

ポルトガル語は問題ない。賃金の格差、生活水準、社会で揉まれる過程、「いざとなれば日本で働けばいい」という逃げ道的な考えなどもろもろが、伯国への再適応を妨げているようだ ...

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第5回 職業相談会に殺到=「ブラジルに溶け込めず孤立」

>>第4回

「普段ならデカセギ帰りの人は十五人くらいなのに、先月の職業相談会には七十五人も来た。みんな仕事を探し、それぞれの悩みを抱えている。事態の緊迫さを実感せずにはいられなかった」

一月に行われたグループ・ニッケイ(島袋レダ代表)のデカセギ帰伯者向け相談会には、通常の五倍が殺到した。冒頭の言葉は、中林ミルトン副代表がその時の様子をしみじみと語ったものだ。

同グループは聖市リベルダーデ区で、毎月第二木曜に一般を対象とした職業相談や講演会に加え、六年前から毎月最終木曜にデカセギ帰り向けの「ただいまプロジェクト」を行っているが、今年に入って帰伯デカセギが加わり急激に膨れ上がった。

この十二日にも、悩みを抱えたデカセギ帰伯者約二十人が集まった。中には人生の半分以上を日本で過ごし、バブル以降の経済発展を底から支えてきた人もいる。手に職を持たない彼らは帰伯後、居場所を探すためにここへ集まってくる ...

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第4回 「代わりに中国人200人」=野宿するブラジル人も

>>第3回

「私たちが働いていた群馬県富岡市の自動車部品工場では三百人以上も派遣社員がいました。ほとんどがブラジル人でしたが、昨年十二月に全員クビにされ、代わりに入ったのは中国人研修生二百人でした」

五日午前八時、JAL便で帰伯したばかりの大関ケンジ(48、二世)、ヒスエ(50、二世)夫妻をグアルーリョス国際空港で取材すると、そう話してうなだれた。家財道具一式を詰め込んだ、トランクとカバンはいっぱいになっているが、表情は暗い。

「三年ほど働いていたけど、ブラジル人もペルー人も時給が安い中国人には負けてしまう。信じられないけど、それが現実」と、やるせない表情を浮かべた。

夫婦は合計で五年間デカセギをしたが貯蓄はないという。「これからどうするか ...

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第3回 大量帰国報道は本当か=片道チケットが五倍に

>>第2回

昨年9月の金融危機による不況で「派遣切り」が始まって以降、日本からのニュースには「ブラジル行き航空券、3月まで帰国するブラジル人でいっぱい」のような報道がちらほらみられたが、それは本当だろうか。

JAL聖支店営業所の小松繁彦所長は「いろんな所で言われているような、帰国者が殺到して、ブラジル行きの飛行機がパンパンという状況ではない」と断言する。「去年11月から全体的に増えた。多くのデカセギが帰ってきていることははっきりしている」。

聖市内の大手日系旅行社によれば、「JAL以外の飛行機も、そんなにムチャクチャ混んでない」としつつ、金融危機以降の急変事項として、デカセギが使うエコノミーでなく、ビジネスクラスの動向を挙げた。

「10月まではJALのビジネス79席が奪い合いで大変だった。ところが ...

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