外国人児童の不就学、低い高校進学の課題〜日系子弟への警鐘
現在、日本の義務教育修了率はほぼ100%で、高校進学率も98%となっており、就学率と修了率は世界一である。大学進学率は53.7%と、先進国の中ではあまり高くないが、専門学校進学率23.6%を合わせると8割以上が高等教育を受けていることになる1。その内容やスキルの水準はともかく、労働市場で柔軟に対応できる能力を持った人材が育成されていることがこの数字に表れている。いずれにしても中等教育の修了率が高いのは、日本の教育制度が完備しているからである。一方、ラテンアメリカ諸国では義務教育の中退者や不就学が未だに3割前後いるとされており、貧困が深刻な地方都市や農村ではそれ以上だと指摘されている2。
1990年の入管法改正で南米の日…