第2回 日系二世という「種族」 その1
ルイーザさんは、少なくとも仕事相手としては、きわめて第一印象の悪い人だ。ぶっきらぼうというのか、人によったらけんか腰に感じるのではないかと いうような態度を、わけへだてなく、誰にでも初対面から容赦なしにとるものだから、会った途端にルイーザさんの人柄に魅了される人などまずいそうにない。 私はやや例外的だったと言えるが、それは何も私の心が特別に広いといったことではなく、私がルイーザさんとは正反対の自他共に認める八方美人的人間だから だ。好んでそうしているつもりではない私には、ルイーザさんの公平なぶっきらぼうさはまぶしく、憧れの対象ですらある。
日本からブラジルに仕事にやってくる会社の、ブラジル側コーディネーターがルイーザさん…