サンフアン移住地は1955年に移住が始まって以来、集団入植が13年間続き、家族や単身移住者を含めて1992年までに302世帯1684名が入植しましたが、転出や帰国もみられ、現在の日系人口はおよそ750名になります。
入植から50余年を経た今、当時の若者や働き盛りは高齢者となり、老後を迎えています。移住地内のインフラ整備や教育の発展、ボリビア社会全体の風 潮などが相重なり、職業選択の幅が出てきて、専門職を身につけ都市部に出る子供たちや、便利なセンター地区に住む若夫婦などが増え、少数ながら高齢者世帯 や独居老人が出てきました。
一人暮らしの気軽さゆえ、同じものばかりを食べて栄養失調になるケースもあり、また移住地といえども、電話など生活設備に対して完全なる保障がない中で社会的な安否を図る公の場が必要との声も高まってきました。
現在サンフアン移住地で行われている高齢者福祉は、日本の「敬老の日」にちなんで行われる「敬老会」があげられます。これは70歳以上を対象に健康 診断を行い、祝賀会や遠足で友との親睦を楽しんでもらうことが目的です。次に、デイサービス。デイサービスのきっかけは、1998年に派遣されたJICA シニアボランティア保健師が高齢者同志の交流を図る目的ではじめた「なんでも会」がきっかけです。なんでも会は、毎週金曜日に集まって歌ったり、ゲームや パズルをしたり、手芸、カルタな…