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アンジェリーノに「名古屋」をアピール ~第1回名古屋デー開催~

ロサンゼルスの最初の姉妹都市

ロサンゼルスと日本の名古屋が姉妹都市だということを知っている在米邦人は、結構いるかもしれない。しかし、アンジェリーノ(ロサンゼルスっ子)が互いの姉妹都市関係を知っているかとなるとかなり怪しい。つまり、名古屋もしくは日本から見たロサンゼルスは有名でも、ロサンゼルス市民は名古屋に関してほとんど知らない。悲しい名古屋の片思い、なのである。しかも、ロサンゼルスにとって名古屋は55年前に締結した最初の姉妹都市でもある。

左からLA市議のラボンジ氏、ワインバーグLANSCA姉妹都市委員会委員長、名古屋市長の河村氏

姉妹都市締結55周年を記念して、ロサンゼルス名古屋姉妹都市委員会(LANSCA)が、8月10日、市内の人気のショッピングモール、ザ・グローブを会場に「第1回アニュアル名古屋デー」を開催した。「めざせ!名古屋の片思い解消、ロサンゼルスとの両思い実現へ」というわけだ。私は委員長の照子ワインバーグさんと親しい関係で、多少お手伝いさせていただき、当日は16歳の息子を連れてボランティアに駆けつけた。ちなみに名古屋とはまったく関係ない九州人だ。名古屋の思い出は、東京の出版社勤務時代に出張で訪れて味噌煮込みうどんを食べたことくらいしかない。遡れば高校の修学旅行で、名古屋市がある愛知県下の明治村に行ったこともあったっけ。

さて、名古屋デー、結果は大盛況だった。会場には、浴衣を着た日本人から日系人、アジア系、アニメ好きそうなアメリカ人など、あらゆる人種の人々の顔があった。ステージでは正午から夕方にかけて絶え間なく催しが披露された。寿司のデモンストレーション、コスプレコンテスト、太鼓、日本舞踊や書道のパフォーマンス、さむらいショー、さらにアニメソングの歌手ステファニーのミニライブまで。

ステージ横には名古屋に本社がある世界のトヨタの新車(レクサス)が展示され、同じく愛知県の企業代表としてJR東海やミツカンのブースが設置された。また、茶道のお手前と共にアメリカ人来場者を惹き付けたのが、名前を漢字にして半紙に書くサービス。「蛇須天(ジャスティン)」などが書かれた半紙を嬉しそうにぶら下げて歩く人々の姿が目立った。

アメリカ人の名前を漢字で書く無料サービスが大人気

故郷思う気持ちの尊さ

名古屋飯「きしめん」を食べる女の子

長蛇の列を作ったのが名古屋飯のサンプル試食である。名古屋には独自の食文化が花咲いていることで知られる。その代表とも言える天むす、きしめん、手羽先、みそかつ、ひつまぶしが試食サイズで無料で提供されたのだ。特に手羽先とひつまぶしが美味だった。手羽先は名古屋に本店がある有名店、風来坊のアメリカ側の店舗のオーナー自ら、「風来坊の看板料理」を出展した。ひつまぶしはご存知、甘辛く味付けしたうなぎをご飯の上に乗せたものだが、この日の特別なポイントは酢飯に乗せたこと。炎天下の屋外スペースでさっぱり食べられるとあって大好評だった。

子供たちの人気者は、名古屋市の公認キャラクターのはち丸くんである。「暑い中、本当にお疲れさま」と声をかけたい気持ちになったほど。

そして大事なことを忘れてはいけない。オープニングには名古屋市から河村たかし市長とロサンゼルス市議のラボンジ氏が、委員長のワインバーグさんを囲んでロサンゼルスと名古屋の姉妹都市をアピール。司会はチャンネル7の日系人アンカー、デビッド・オノ氏が仕切った。

司会のデビッド・オノさんと名古屋の公認キャラクター、はち丸

最後は「名古屋デー」のTシャツを着た委員会のメンバーが「今日はありがとうございました。どうぞ名古屋にお越しください」と来場者に呼びかけた。そう、名古屋デーの目的の一つは観光客の誘致だ。まず名古屋デーというイベントを楽しんでもらい、名古屋について知ってもらう。そして、さらに知りたいと思った人は、新幹線で東京と京都の間に位置する名古屋で下車してくれるかもしれない。

今回、名古屋デーに来てほしいと私が個人的に声をかけた際に、日本人または日系人の多くから二つの疑問が呈された。一つは「なぜ二世ウィークと同じ時にやるのか?しかもパレードの当日に」ということ、もう一つは「なぜリトルトーキョーではなくてザ・グローブなのか?」ということだ。

最初の質問に関しては、二世ウィークのパレードとわざとぶつけたわけではない。最初、前日の土曜日で準備を進めていたところ、ザ・グローブでの別イベントが開催決定となり、日曜にずれ込んだのが事実。

では、なぜザ・グローブが会場かというと、これは最初に述べた開催目的の「名古屋の片思い解消」に理由がある。まず一般のアメリカ人が大勢集まる所でなければならない。名古屋デーは今年が初回だった。つまり、その存在がまったく知られていない。そのため、わざわざ客を呼び込む必要がない、人気のショッピングモールにターゲットを定めたというわけだ。週末にショッピングやダイニング、または映画を見に来たりした人が「あれ?何をやっているんだろう?面白そう」と迷い混んでくれたら最初の目的は達成、なのである。

考えてみれば、ハワイの沖縄フェスティバルは有名だが、東京デーや大阪デーといったイベントがロサンゼルス界隈で開催された記憶がない。その意味でも名古屋デーの初回成功の意義は大きいと思う。「アニュアル」と言うからには、来年以降も毎年続けていく意向だ。しかし、二世ウィークのパレードと同じ日には絶対にしないとワインバーグさんは明言している。パレードに出場した彼女自身が名古屋デーを1日の最後まで見届けることができなかったから、というのが理由の一つでもあるらしい。

私個人としても来年もまたこの祭りに参加したいと心から思った。人が故郷を誇りに思う熱い気持ちがこんなにも尊いものか、ということが、ひしひしと伝わってくるイベントだったからだ。

(写真提供:名古屋市)

 

© 2014 Keiko Fukuda

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