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南米の日系人、日本のラティーノ日系人

日系ラティーノの解決困難な相談内容の対策とは

たとえ国内の引っ越しでも新しい土地に住むとなると、何かと相談しなくてはならない事項がたくさん出て来る。日常生活に影響する習慣や風習を、その土地に応じて把握する必要があるからだ。これが海外移住となると、一時的なものであっても、精神的な負担に加え、諸制度の仕組み、言葉や文化の違いゆえに誤解をまねくこともしばしばある。中南米でも、同じスペイン語圏・文化圏内へ越境する者であっても、やはり政治制度や法体系、社会の特徴や人口構成、産業構造や労働市場等の違いによって慣れるまでは相当時間がかかる。また、従事する職種や移住者の教育水準等によってその適応能力が異なると言えよう。

90年代に日本へやってきた南米諸国出身の日系就労者も、やはりこうした違いにはなかなか適応できず、未だに深刻な問題を抱える地域も多い(主に集住地や団地)。この移住の流れが始まって以来20年が経ち、平均滞在歴も10年以上である。当初は労働相談や一般生活相談、社会保険や税金、在留資格等の相談が目立っていたが、近年は子供の教育や家庭内問題、資産運営問題(マイホーム購入やローン未払い問題等)など、多様多種かつ複雑である。

2009年4月、大和カトリック教会で行ったペルー人研修会。講師として招かれた筆者。

以前、筆者も10年近くにわたり公的機関の相談業務に関わったことがあり、日本の行政や民間団体が、戸惑いと試行錯誤しながらも限られた予算と人員で対応してきた姿を見て来た。しかし、外国移民の受け入れ経験がない日本は、時には行き過ぎた支援や事業を行ったり、実態にそぐわない事業を行うなど、逆に外国人の自立を妨げてきたことも否定できない。横並びに動く行政や外郭団体の多くは、集住都市の事例や、その時々注目される自治体等の事例を手本に、全国的に同じようなサービスや支援事業を行ってきた。予算配分もそうした基準によって行われるため、その地域の特徴や外国人のニーズにあった事業でなかったことも多い。それでも、工夫を重ねながら多くの自治体では、ある程度のノウハウと専門スタッフのいる民間団体等を活用し、特徴ある事業を展開してきた。ただ、一人の人間が抱えているすべての諸問題を解決することはできないし、むしろ外国人の社会統合にはそうした対応が望ましいのかという疑問も残る。

それに、相談に応じても最終的に問題を解決するのは相談者であり、相談員やその機関や団体の責務は正確な情報と的確なアドバイスの提供であり、問題を抱え込むことでも諸問題の処理を代行することでもないのである。実際、現場では冷静に問題を精査して、助言するということはそう単純でないことも理解している。すべての諸問題を解決するためには相当の時間と忍耐、資金も必要であり、いかなる団体も機関も対応できないのが現状である。また、きりがないのである。

ここ1年、経済情勢の悪化に伴って労働環境も更に不安定になったことで収入が減り、または職を失ったものも少なくない。しかし、様々な相談事例を見ると、多くの問題は制度内で解決できるし、解決困難なものはその相談者に起因するものが多い。いくら非正規雇用の日系就労者でも、ほとんどが雇用保険(失業した際の失業手当)に入っており、仕事や残業がないのは外国人だけではなく日本人も同様である。外国人の方が選択の余地がないと言われるが、諸制度が提供する公共サービスや支援は日本人と同様である。言葉の壁があると言っても、公的機関は多言語で情報を提供しており、関係機関にも相当の外国人専用窓口がある。また、筆者が見てきた日系ペルー人移民たちは相当柔軟に工夫しながら諸問題に対応している。

他方、解決困難な問題の相談をしてくる日系ラティーノとは、これまで行政や諸団体が提供してきた情報をあまり理解していないだけではなく、誤解していたり、勝手に都合のいいように解釈していることが多い。その結果、時間とお金をかけてもすぐには答えが出ず、相談者の希望通りの結果にならない事例もある。例えば、離婚がらみで住宅ローンの借金があり(競売寸前)、そのうえ親権も確定せず夫は本国に帰国してしまい、その間に健康保険の未払いが発生して病弱な子供の治療ができないというケースで、何をどう優先し、何をどう処理していいか分からないのである。このような場合、手続きを一つ一つこなしていくしかなく、専門家のアドバイス(弁護士等)と介入が必要になることも多い。また、いくら適切な助言をしても、それを無視されてはどうにもならない。そのうえ、手続きの手順を教えても、それに応じず順番や規定を遵守しないために、問題が更に悪化することもある。どうサポートしてもどうにもならないケースは多々ある。しかし、みんながそのような問題を抱えているかというとそうではない。

他方、こうした実態と同じような深刻さが、対応する公的相談機関やNGO団体側にもある。対応する方がパニック状態になり、すべてを「自分で背負って」という行動をとる時である。また、相談対象者の実態や背景をあまり把握していないことも多い。

最近、「多文化ソーシャルワーカー」という言葉を良く耳にするが、行政の縦割りの弊害を超えて横断的に外国人の諸問題をマネージメントし、適切に助言や指導をして現場で対応するというものである。しかし、それだけのことができる訓練と語学能力、そして行政上の権限はほとんどない現状で、彼らに何ができるのか疑問に残る。多くの場合、熱血な相談員又は行政官が自身の人脈を活用して対応しているのが現状である。すばらしい成果を出しているところもあるが、このような方法が外国人の自立のプラスになるかと言うと、それはまた別問題である。

日本人でも、上記のような複雑な事例の解決には情報収集から始まり、場合によっては専門家の介入(契約)も必要であり、相当の費用と時間がかけて解決に向かう。外国人も本国では同じように行動し、むしろ制度上の不備や高額な弁護士費用によって半永久的に解決できない人も多い。

自立支援という名目で行政等の外国人サポートは必要としても、できるだけ自らの教訓を元に、自身の努力で解決しなくては社会とのつながりはできないし、真の日本を発見できない。彼らも自分のことは自分で解決するという意思はあるが、「やってくれるなら全部やって、やらしてあげるから全部解決して」という他力本願な態度になってしまうのは、やはり行政や支援する側にも問題があるからである。


2009年2月、海外日系人協会主催の外国人相談員及び担当者の研修会。

注釈:
1. 1991年設立された「東京及び名古屋日系人雇用サービスセンター(労働省の委託事業で㈶産業雇用安定センター、東京都、愛知県が実施)」の各年度の報告書や㈶海外日系人協会の日系相談センター(JICAの委託事業)、各地の国際交流協会のレポートもこのような状況を報告している。
2. 少しでも仕事を確保するため、派遣会社を通じて仕事がある地方へ単身赴任しているし、不況でも人手不足の職種に従事している。また、家賃の負担を軽減するため親戚のアパートを間借りしたりしている。一部は妻子を国に帰し、夫だけが日本に残って動いて送金を続けている。同胞の集まりや教会(カトリック、キリスト教の宗派福音教会等)等を通じて、食料品のカンパと配布も行い、かなりの連帯行動をとってきた。

© 2010 Alberto J. Matsumoto

Latin American Nikkei nikkei in japan

Sobre esta serie

日本在住日系アルゼンチン人のアルベルト松本氏によるコラム。日本に住む日系人の教育問題、労働状況、習慣、日本語問題。アイテンディティなど、様々な議題について分析、議論。