日系就労者たちの債務超過問題が多発-経済危機からみる奥の原因-

ここ数ヶ月の間、筆者はペルー人団体や自治体の要請によって関東地区をはじめ東海地方にも出向いて講演を行ってきた。経済危機への対策というテーマが主な依頼内容だが、行政や国際交流協会からの依頼は相談窓口強化策についてであった1。
ペルー人や他の南米系日系人からの質疑応答やアンケートでは、異常なほど債務超過問題についての質問が多かったことが印象的だった。話を聞くと、その多くが住宅ローンや車ローンだけではなく、クレジットカードや銀行ローンカード、そしてサラ金にも手を出していることが分かった。出席者の3~4割から借金についての質問があり、その一部は自己破産を考えているという結果だった2。
行政の相談窓口でもこうした相談が増えているという。当然あまりにも専門的な内容なので、話を聞いてあげても対応策を助言することは難しい。何件かは会場外で詳しく話を聞くことにし、とりあえず情報を整理し、問題そのものを理解するようにしたが、自分の知識では到底把握しきれないことが多かった。
とはいえ、こうした状況に陥った者の特徴をある程度つかむことはできた。すべてのケースに当てはまるわけではないが ...