望郷の総合雑誌 - 『ポストン文藝』 その2/8
その1>>
しかし収容者は協力してこの不毛の地を次第に人の住まいらしく変えていった。
まず人びとがしたことは、砂塵を防ぐための植樹であった。砂漠に生えているコットンウッドや柳の一種は厳しい環境に耐える強い生命力をもっていたので、挿し木で簡単に苗を作ることができた。収容者には農家も多かったので、このような作業は得意であった。木ばかりでなく、家の周囲には、デヴィル・グラスという芝草の一種も植えて芝生の代用にした。デヴィル・グラスは根が深く、畑にはびこると除去が難しい嫌われものの雑草であったが、このときばかりは砂嵐を防ぐ貴重な植物となった。さらにいくつかの公園、屋根つきの避暑施設などが造られた。
造園業にたずさわっていた人も多く…