3月11日に震災4年目を迎えた。遅々とした歩みだが、被災地は着実に復興に向かっている。集団移転先の整地。災害公営住宅の建設。店舗・工場の修繕と建替え。鉄道の復旧。事業の再開。速度に違いはあるものの、日々変わり続ける日常の風景の中に街の再興を感じ取ることができる。
しかし、子細にその歩みを見てみると、各地一様ではない。原発の影響を受ける地域と受けない地域。内陸部と沿岸部。都市部と農漁村部。どのような切り口でアプローチするかによって、その断面はいかようにも映る。
岩手県の沿岸部に位置する大槌町は、水産業を中心とする町だ。人口は1万2,600人ほど(2014年5月現在)。津波により流失した家屋は2,506棟。震災と津波により被害を受けた棟は3,800ほど(2011年9月28日現在)。町内の約半数の建物が被害を受けたことになる。
これらの被害に対し、国、県、町は、未曽有と表現されるような支援策を講じた。それらは生活の再建と地域経済の復興にとって死活的に大きな役目を果たしている。たとえば、津波で家を失った人が新しく家屋を建設する場合、最大で600万円の支援金が支給される。
住宅再建に係る支援金の合計額(新築のみ)1
世帯区分
国(基礎)
国(加算金)
県・町
町独自*
合 計
複数世帯
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