Tomoe Moriya

阪南大学教授。専門は日本宗教思想史、アジア系アメリカ宗教研究。近代日本史とアジア系アメリカ史を結びつける越境的視点から、日系仏教のグローバル化を研究している。主要業績は『アメリカ仏教の誕生―20世紀初頭における日系宗教の文化変容―』(現代史料出版、2001年);「アメリカ合衆国における日系仏教とエスニシティ―米国仏教団(BCA)を中心に―」『近代仏教』9 (2002); Buddhism at the Crossroads of the Pacific: Imamura Yemyō and Buddhist Social Ethics, in Hawaii at the Crossroads of the U.S. and Japan before the Pacific War (ed. J.T. Davidann, University of Hawaii Press, 2008); Issei Buddhism in the Americas (co-edited with Duncan Ryūken Williams, University of Illinois Press, forthcoming) など。

(2009年12月 更新)

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来日就学生物語 ~マイグレーション研究会メンバーによる移民研究~

第5回 普遍主義とナショナリズムの狭間で―1930年代における日系二世仏教徒の日本留学―

1 はじめに

日本から海外へいった日本人移民の子どもたち、すなわちハワイやアメリカ本土で生まれアメリカ市民権をもつ日系二世仏教徒のなかには、日本に留学して仏教を学び僧侶資格(海外での布教を行う「開教使」と呼ばれる)を得て帰国するものもあらわれてくる。

私の調査によると、早いケースでは1920年代後半から日本へ留学していたことがうかがえるが、多くは1930年代で年齢も20歳代かそれ以上であった。彼らは、高校または大学を卒業するか中退して来日し、龍谷大学か京都女子高等専門学校(現・京都女子大学)、あるいは僧侶養成学校である中央仏教学院に入学している。また出身地別ではハワイがアメリカ本土よりも日本留学を始める時期が早く、ハワイ出身者の約半数が1930年代前半のうちに日本で資格を取得して帰布している。さらにハワイの特徴としては女性の留学生が多いことで、ハワイ出身者14名中6名が女性であった。

彼らの仏教は、従来の日本人移民のみならず、あらたに日系アメリカ人の精神的支えへと発展することになるが ...

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