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Kizuna 2020: Nikkei Kindness and Solidarity During the COVID-19 Pandemic

パンデミックのさなかに見たコミュニティの絆 - その2

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懐かしい日本の歌との再会

ステイホーム中、友人と日本のテレビ番組や日本の歌謡曲のビデオなどのやり取りを良くするようになりました。私のスマートフォンに届いた最初の動画は「上を向いて歩こう」でした。私は坂本九の歌声を聴き、とても懐かしく感じました。なぜなら、この歌は私が2001年から2007年まで司会を続けたラジオ番組のテーマソングだったからです。毎朝、あの美しいメロディと歌詞をバックに「オハヨウ・ボンディア」と、視聴者に挨拶をし、数々の日本の歌を紹介していました。

そして私は、この有名な曲を、日本の人気歌手16名が自宅で歌い、それをつなぎ合わせたものがネットで反響を呼んでいるのを知りました。タイトルは、「日本を元気に!みんな歌って『上を向いて歩こう』」。新型コロナウィルスの影響下、世界中に元気と希望を届けるために発信されたたもので、私はこの曲を聴いて感動しました。日本の歌に詳しくない友人は、全員の歌手の名前を順番に知りたがりました。

このようなコラボレーションは、ブラジルの日系人歌手の間でも行われました。世界的に有名な曲「We are the World」を英語だけでなく、日本語「こころをひとつに」とポルトガル語「Um só coração」でも歌いました。こちらも動画として配信されています。また、2014年のロンドリーナ80周年記念の際に日系人グループが制作した動画がスティホームを応援するためにと、再び発信されています。この動画では、東日本大震災(2011年)の復興を応援するために制作されたチャリティーソング「花は咲く」を歌うロンドリーナの市民団体の歌声が町の風景とともに紹介されています。ロンドリーナに住み始めたばかりの私の心を温めてくれる動画の一つです。友達もこれらの曲からたくさんの元気をもらっています。

このように特別に作られた曲でなくとも、一般的に日本の曲は日系ブラジル人へ多くの元気を与えているようです。「実際に、ある友人に「これからどんどん送ってね。義兄は病気してから元気がないんだけど、日本の歌を聞くと元気になるの」と言われました。また、母の日には「かあさんの歌」や「母へのメッセージ」の歌ビデオを受け取った日系ブラジル人のお母さんも多く、皆感動したと言っていました。

また、「サライ」(1992年)、「風に立つライオン」(1987年)、「君といつまでも」(1965年)、「ありがたやありがたや」(1960年)、「関白宣言・替え歌」(2020年)、「乾杯」(1980年)など、様々なジャンルの日本の歌が、最近、日系ブラジル人の間でシェアされているようです。これらの歌を、ステイホームになって初めて聞いた人も多く、私の友人は歌詞はよく分からないけれど、日本のものだから好きだと言っていました。

ステイホーム中の日系ブラジル人を楽しませくれてるのは、日本の歌だけではありません。ラジオ体操、筋トレ、リフレッシュ体操、日本のことわざ、CM、沖縄のオバーのラッキョウ作りなどなどたくさんあり、コロナ渦の中、私たち日系人に元気を与えてくれていいます。不思議なことにパンデミックの最中、日系人は以前より「日本」に心が引かれているようです。

日本に憧れるブレノ君

ブレノ君は父方のいとこの孫息子で高校3年生の17歳。私がブレノ君と初めて会ったのは1年前で、大好きな曾祖父への敬意を表すために入れたという彼の左腕の『日本』というタトゥーが印象的でした。去年8月からカナダでホームステイをしていましたが、新型コロナウイルスの影響で早めに帰国しました。

帰国直後、いとこから連絡があり、「ブレノが日本語を習う決心をしたの!知り合いから本を借りて勉強をし始めたの」と、嬉しそうに話してくれました。日本文化に触れない環境で育った5世のブレノ君が日本語を勉強したいというのは素晴らしいことです。私は早速、3カ国語の辞典を届けました。

日本に興味があるとのことなので、私たちはメールで連絡を取りあうようになりました。私はブレノ君へ日本語のオンライン講座、日本の映画、NHKワールド・プレミアムの番組情報などを紹介しています。ブレノ君は興味深くいろいろ尋ねてくれるので、とても楽しくやり取りをしています。

やり取りをしているうち、ブレノ君は国際関係学部を目指しており、卒業後は、外交官になって日本で働きたいとのこと。私は驚きました!昔の自分を思い出させたからです。私がブレノ君と同じ年代の頃、「ラウラは外交に向いている」と父が言いました。結局、私は国語と文学部に進学しましたが、父の言葉は未だに忘れられません。そして、1972年に初めて来日して以来、私の夢は日本で働くことなんです。いとこは『遺伝だわ』と、ブレノ君を応援しています。私も頑張っているブレノ君にエールを送っています。

新しい仲間との出会い

6月18日はブラジル移民112周年記念日で、16日に私はロンドリーナ州立大学歴史学科、東洋文化研究グループ(GPECO)による「ブラジル日系文学」のビデオ会議に招待されました。

この会議を担当していたのが、大学院生ウエノ・マガリャンイス・マルティナ・ルアナさんでした。ルアナさんとは、私がまだロンドリーナに移住することを考えてもいなかった頃、修士論文に私が初めて出版した小説「Sonhos Bloqueados」を選んでくれたのが縁で、連絡を取るようになりました。

今回のビデオ会議では、この「Sonhos Bloqueados」に描かれている当時の環境、日系人を主人公に選んだ理由、読者の反応、文学関係者の感想について話す機会を持ちました。

この本は、1991年6月18日に発行されたものなので、29年たった今になってその話しをするのはとても不思議な感じがしましたが、ビデオ会議なので私は緊張もせず発表することができました。また、この会議で、日系ブラジル人小説家としての道のりを若い世代に伝えることができたことは、パンデミック中の素晴らしい体験の一つです。これからも、生き甲斐として書き続けていきたいと改めて思いました。


今後の日常

ハツコさんの家で1ヵ月お世話になった後、私は自宅に戻りリフォームを終わらせ、今でもステイホーム中です。年齢を重ねるにつれ、どうやったら、自分が居心地が良いのかがだんだん分かってきたような気がします。世界中の人々が悲しさ、寂しさ、不安の中で生きている時、私はただ神様に感謝して毎日を過ごしています。全てが早く元に戻るようにと願うばかりです。

 

© 2020 Laura Honda-Hasegawa

Brazil covid-19 Igreja Evangélica Holiness do Bosque Kizuna 2020 Londorina SOS Máscaras

About this series

In Japanese, kizuna means strong emotional bonds. In 2011, we invited our global Nikkei community to contribute to a special series about how Nikkei communities reacted to and supported Japan following the Tohoku earthquake and tsunami. Now, we would like to bring together stories about how Nikkei families and communities are being impacted by, and responding and adjusting to this world crisis.

If you would like to participate, please see our submission guidelines. We welcome submissions in English, Japanese, Spanish, and/or Portuguese, and are seeking diverse stories from around the world. We hope that these stories will help to connect us, creating a time capsule of responses and perspectives from our global Nima-kai community for the future.

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Although many events around the world have been cancelled due to the COVID-19 pandemic, we have noticed that many new online only events are being organized. Since they are online, anyone can participate from anywhere in the world. If your Nikkei organization is planning a virtual event, please post it on Discover Nikkei’s Events section! We will also share the events via Twitter @discovernikkei. Hopefully, it will help to connect us in new ways, even as we are all isolated in our homes.