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「YES」か「NO」 それぞれの決断:祖父の体験語り継ぐ孫たち ー 第1部

祖父たちの戦時中の体験を伝えるロブ・サトウさん(左)とダイアナ・エミコ・ツチダさん(写真:吉田純子)

絵を通して伝えるロブ・サトウさん

第442連隊に所属していた自身の祖父ロイさんの話を説明するサトウさん (写真:吉田純子)

第二次世界大戦中にヨーロッパ戦線に投入された日系人部隊「第442連隊」や、強制収容所での人々の様子を描いた日系人画家ロブ・サトウさん。サトウさんの祖父は戦時中、アメリカに忠誠を誓い、忠誠登録の質問に「YES」と答えた。一方、日系史の研究活動を行っているダイアナ・エミコ・ツチダさんの祖父は「NO」と答えたひとりだった。正反対の祖父を持つ2人に、それぞれの思い、そして家族の物語を聞いた。

 

「YES―」、米国に忠誠誓った祖父

サトウさんはロサンゼルスを拠点に活動するアーティストだ。サトウさんが描いた水彩画は、第442連隊を描いたコウジ・スティーブン・サカイさんとフィニー・キヨムラさんのグラフィック小説「442」への挿絵として描かれ、このほど、ウエスト・ロサンゼルスにあるギャラリー「Giant Robot 2 Gallery」で展示された。

サトウさんが描いた水彩画。戦地で寒さに凍える日系人兵士(右)と「千人針」(写真:吉田純子)

1943年、「敵性外国人」として強制収容所に送られた日系人は、当時の米政府に「アメリカ軍に志願する意志があるか」「アメリカに忠誠を近い、日本国天皇への忠誠を破棄するか」といった質問をされた。この2つの質問に「YES、YES」と答えたひとりがサトウさんの祖父ロイさん(93)だ。

第442連隊に所属していた祖父のロイさん(写真:吉田純子)

ロイさんは戦時中、アーカンソー州ジェローム、同州ローワーの強制収容所に収容され、第442連隊に所属。ヨーロッパ戦線に赴いた。

多くの日系2世が強制収容所で第442部隊に志願、または徴兵され、激戦地に投入された。戦地では過酷な任務を遂行し、その激闘ぶりは死傷率314%、死傷者数9486人という数字が物語っている。米国史上もっとも勲章を授与された軍部隊のひとつとして、人々からは英雄とたたえられている。

「祖父は戦時中、第442連隊に所属していましたが、長い間、戦地での体験を語ろうとはしませんでした。しかし1980年代に入り、僕ら孫が成長するにつれて、コミュニティーイベントや学校などで強制収容所での生活や戦争についてプレゼンテーションをするようになったのです」

第二次世界大戦を知る日系2世は高齢化しており、彼らの話を直接聞ける機会は失われつつある。小説の挿絵の企画が舞い込んできた時、祖父の体験談や自身のバックグラウンドを生かさなければ、サトウさんは思ったという。「第442連隊の姿を描く中で、祖父から直接話を聞けたのはとても貴重な体験でした」

オバマ大統領が第442連隊に「議会名誉黄金勲章」を授与する法案に署名した様子を描いた作品(写真:吉田純子)

サトウさんの水彩画には第442連隊の日系兵士たちの表情が事細かに描かれ、戦地に赴く息子や夫のために女性たちが送ったお守りの「千人針」や強制収容所で発生した暴動の様子、2010年に当時のオバマ大統領が第442連隊に「議会名誉黄金勲章」を授与する法案に署名した様子も描かれている。

祖父ロイさんは自身がアメリカ人であること、そしてたとえ家族が当時の米政府によって強制収容所に収容されても、国のために戦うことに誇りを持ち続けていたという。

サトウさんにとって、ツチダさんの祖父のように忠誠登録の質問に「NO」と答え、自身の祖父とは正反対の決断をした人々のことをどう感じているのだろうか。

「僕は(忠誠を誓わなかった)ツチダさんの祖父の判断もとても尊敬しています。『YES』と答えた人も『NO』と答えた人も、結局はどちらも正しい判断だったと思うのです。当時の日系人は忠誠登録の質問から逃れることはできなかった。当時の状況(排日運動)こそが間違っていたのです。日系史はアメリカ史の一部。これまで日系人がたどった歴史を知らなかった人にも、こうした機会に知ってもらえたらうれしいのです」とサトウさんは話した。

出来上がった作品を祖父ロイさん(奥)に見せるサトウさん(手前)(写真:吉田純子)

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* 本稿は、「羅府新報」(2018年5月8日)からの転載です。

 

© 2018 Junko Yoshida / Rafu Shimpo

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